今回、紹介する事例は、IPoEプランを導入したにも関わらず、 PPPoE接続でのインターネット速度測定の方が常に速いという 不可思議な現象が起こったことについてお話しします。
そのお客さんの環境は、もともとは、ビジネスフォン主装置に 直接光回線からの配線を行う直収タイプで、ビジネスフォン主装置事態に ルーター機能を持っているため、そのルーター機能を使って PPPoEでインターネット接続を行っていました。
その回線にIPoEプランの契約を行い、IPoE(IPv4 over IPv6)機能を持つ ヤマハルーターを設置してインターネット環境を増強するという 案件でした。
ヤマハルーターをビジネスフォン下部に設置し、 特に問題なく、ヤマハルーターの設定もでき、IPv4 over IPv6による インターネットへの接続確認もできました。
そこで、どのくらいIPoEプランにしたことで効果があるか インターネットの速度測定サイトを利用して、 PPPoE接続したビジネスフォン直下と IPoE(IPv4 over IPv6)設定したヤマハルーター直下で 速度測定をしてみることにしました。
当然、ヤマハルータ直下での速度測定結果がより良いものが表示されると 推測していましたが、結果は、なんと、ビジネスフォン直下の測定結果の方が良い というものでした。
同じパソコンで測定しているので、端末の差はありません。 おかしいな~と思いましたが、複数回測定しても、いずれもビジネスフォン直下 での測定結果の方が良い結果となってしまいました。
たまたま時間帯によるもで、 夕方などは、PPPoEが劇的に遅くなって、IPoEプランの導入効果があったと感じて もらえるのではないかと考えましたが、時間帯を変えても、ビジネスフォン直下での 測定結果の方がより良いものとなってしまいました。
特に腑に落ちないのは、そのフレッツ光回線は、 ハイスピードタイプという品目のもので、 下りの速度は、200Mbpsという仕様のものです。
したがって PPPoE接続での測定結果が200Mbps以上の結果になるのは、そもそもおかしいのです。 そのため、その時は、測定結果が、正確ではないのではないかという苦しい 理由しか思いつくことができませんでしたが、
後日理由がわかりました。
なぜ、そのような不思議な結果になってしまったかを説明するためのデモンストレーションは、以下の動画をご覧ください。
この検証はお客様先ではなく、自宅の環境での検証となりますが、IPoEプランに契約した 光回線に接続されたNTTホームゲートウェイにPPPoEの設定をして、 インターネット速度測定を行っています。
今回の事件の真相は、 PPPoE設定した装置の下部で速度測定しているため PPPoE経由でネットの速度測定ができていると思いこんでしまっていましたが、実際には、ビジネスフォン主装置は、PPPoEでインターネットに接続しているほかに、 IPoEのIPv6通信でもインターネットに接続していました。
インターネット速度測定サイトであるFASTは、IPv6を優先して測定するらしく、 IPv6での測定結果が表示されていたことになります。
そのため、どの時間帯で測定しても、IPoEの速度結果が測定されているだけなので、 PPPoE側が混雑していようがいまいが、どの時間帯でも、常に速い測定結果 が表示されていました。
このことに気づくのに、結構時間をかけてしまい お恥ずかしい限りです。
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