ヤマハルーターを多段に設置してIPv6の配布について検証してみました

IPv6

ヤマハルーターは、回線(WAN)側から流れてきたIPv6情報を、LAN側に再配布することができ、それを受け取ったパソコンなどの端末がIPv6を使えるようになります。そして、回線側にあるIPv6のネットワークへアクセスが可能になります。

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もし、ヤマハルーターを多段に設置した場合、つまり、1台目のヤマハルーターのLANポートと2台目のヤマハルーターのWANポートを接続した場合、
2台目のヤマハルーターのLAN側のパソコンではIPv6は利用可能になるのでしょうか?

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2台目のヤマハルーターも、1台目同様の設定をすれば、
WAN側から配布されてきたIPv6アドレスをLAN側に再配布するということになり、同様にIPv6が利用可能になるのではないかという気もします。

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パソコンは、IPv6情報を受け取り、IPv6アドレスが割り当たったとして、
回線側のIPv6ネットワークへはアクセスはできるのでしょうか?

その辺、実際に検証してみました。
検証環境の機器構成を、もう少し正確に書くと、
まずフレッツ光回線は、NTTホームゲートウェイ(PR-500)と接続されています。そのLAN側にヤマハルーターRTX830を設置、さらにそのLAN側に、RTX810を設置します。

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NTTホームゲートウェイからは、IPv6情報がRAという方式で流れてくるので、RA方式を前提とした設定をヤマハルーターにします。
また、再配布するヤマハルーターもRA方式で配布するので、
2台目のRTX810も、同様にRA方式を前提に設定します。

ヤマハ公式サイトに掲載されているRAの場合の設定例を参考に設定します。

IPv6 IPoE 対応機能

【 NGN との接続設定 】
ngn type lan2 ntt
ipv6 prefix 1 ra-prefix@lan2::/64
ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::1/64
ipv6 lan1 rtadv send 1 o_flag=on
ipv6 lan1 dhcp service server
ipv6 lan2 dhcp service client ir=on

【 DNS の設定 】
dns server dhcp lan2


掲載されている上記の設定行のうち、1行目のngn type lan2 ntt
設定しても関係ないので、設定してもしなくとも良いです。

この設定行が、どんな効果があるのかを検証したことがあります。
ご興味のある方は、こちらの動画をご覧ください。

1台目と2台目、同じRAとしての設定をすれば良いのかなと思いますが、
少し注意が必要です。

LAN1インターフェイスのIPv6アドレスを設定する設定行は、
ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::1/64
ですが、2台とも同じ設定にしてしまうと、2台のIPv6アドレスが同一になってしまいます。

IPアドレスの重複は、ネットワークトラブルの原因になりうるものです。
したがって、2台中1台のこの設定値を、少し変更してあげる必要があります。

今回の検証では、
1台目を
ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::1/64

2台目を
ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::100/64

としました。

2台目のこのIPv6アドレスの設定について、さらに注意事項として、
もし仮に、すでに1台目と同じ設定をしてしまった後だとしたら、
後から、別アドレスになるような設定をしたとしても、
上書きされるわけではありません。

ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::1/64
ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::100/64

上記のように、設定行が2行になってしまうので、
その場合は、noを設定行の頭につけて、設定行を消去して下さい。

no ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::1/64

設定ができると、回線側のIPv6ネットワークへのアクセスが可能になります。

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もしフレッツ光回線に、IPoEプランの契約がされているのであれば、
GoogleやYoutubeへのアクセスは可能になります。

GoogleやYoutubeは、IPv6に対応したサイトだからです。

逆にYahooなどのIPv4にしか対応していないサイトへはアクセスできません。これは不可能という意味ではなく、IPv4で通信するためには、
ルーターにそのための適切なIPv4の設定が必要だという意味です。

また、意外と思うかもしれませんが、2台目のRTX810のLAN側のパソコンから、1台目のRTX830へは、IPv6でアクセスすることは出来ませんでした。

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おそらく理由は、RTX830のLAN側とRTX810のLAN側は、
IPv6としては、同一ネットワークとなってしまうため、
宛先をRTX830のIPv6アドレスにしたとしても、ネットワークセグメントを
超えられないからではないかと思います。

逆に、GoogleやYoutubeなどは別ネットワークなので、
ネットワークセグメントを超えて通信できているということになると思います。

この記事を動画にしたものはコチラ

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